太田忠司「さよならの殺人1980」

2012.05.30(Wed)


さよならの殺人1980 (祥伝社文庫)さよならの殺人1980 (祥伝社文庫)
(2005/01)
太田 忠司

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あしとものPATTIさんのブログの記事を見て思い出した本があります。といっても、ただ単にPATTIさんの愛犬の名前「レノン」から連想しただけの事なのですけどね。

ということで今回ご紹介する本は、太田忠司の長編ミステリ小説「さよならの殺人1980」です。もう32年も前になってしまいましたが、1980年当時に青春を謳歌していたアラフィフ(around 50)の皆さんには大変懐かしい内容が盛り沢山の、青春群像本格ミステリです。
え? 私ですか? はい、しっかりアラフィフです(笑)

「ジョン・レノンの死を知らされた時、あなたはどこで何をしていましたか?」
乗り気のしない飲み会の席で何気なく放った質問ではあったが、予想以上に手応えのない返答しか返ってこない事に、僕は少しばかりショックを受けていた。ほとんどの人はあの日のことを忘れかけているのだ…。ところが、二次会を辞退して帰ろうとした僕を追いかけてきた参加者のひとりが、僕に読んでほしいと分厚い原稿の束を差し出してこう言った。
「ジョンが死んだニュースを聴いたあの日、私は、人を殺したのです」…。


音に関する本、…ではないですね。音楽に関する本、…ともちょっと違うかもしれませんが、時代とともにある音楽が呼び覚ます記憶の物語、などと無理矢理「音」に結びつけて紹介しちゃうことにします。こりゃ相当苦しいなあ(汗)。

この作品は、とある人物から手渡された(実際にあった殺人事件について書いたという)小説の内容がほとんどを占めています。ミステリを読み慣れた人は、こういった作中作や登場人物による手記、などという設定を目にすると「ふふん、これは真実が記されているとは限らないぞ、騙されるものか」と、まず疑ってかかってしまいますね。私もそうです。まあミステリ読みの哀しい性(さが)なのでしょうね。
そんな読み手の猜疑心を逆手に取って、あっと驚く衝撃の結末・・・という作品に出会えたときに、ミステリファンはこの上ない喜びを感じるものなのですが、残念ながらこの作品はそこまで至ってないように思います。結末だけを見るとミステリとしては弱いかな、というか物足りないかな、という感じがしてしまいますね。

ただし、事件を取り巻く時代背景や登場人物の言動、キャラクターなどは魅力たっぷりに描かれています。卒論のため研究室に入り浸る日々を送る大学4年生の主人公たち。学生運動の残党とそれに絡んだ殺人事件。美人の新人刑事にいいカッコをしたいが為に、事件の真相を探ろうとするお調子者の男子学生と、それに振り回される友人たち。そして1980年当時の懐かしいカルチャーなどの小ネタが満載で、特に当時を知る年代の人は楽しく読めること間違いなしでしょう。
でも、若い人には、わかるかな〜、わかんないだろうなあ。イェ〜イ。
(このギャグが分かる人は大丈夫です)

さて、「ジョン・レノンの死を知らされた時、あなたはどこで何をしていましたか?」
この質問に私も答えてみましょうか。

1980年12月9日(日本時間)、私は高校1年生でした。この小説の登場人物には申し訳ないのですが、実はよく覚えていません。たぶん自宅で、夕方のニュースか何かで知ったのだと思います。
それほどビートルズを熱心に聴いていた訳でもないし(同級生の中には熱狂的なファンもいましたよ)、ジョンよりもポールの曲のほうが好きだし、実はビートルズよりもS&Gのほうが好きだし…。私にとってはさほど衝撃的なニュースではなかったのですね。恥ずかしながら。

さて、久しぶりにビートルズのCDでも聴いてみようかな。


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COMMENT

フェイク

おはようございます (*^_^*) 

あの日のこと
今でも鮮明に覚えてるよ

そのニュースは美容院で聞いたの
そこの美容院はBGMでFMのラジオ流しててね
突然うちが固まったから美容師さんに大丈夫ですか?
って聞かれたのよ

一週間ぐらい立ち直れなかったです

月日が流れるのは早いですね
もうそんなに前の話しなんですね

2012.05.31(Thu) 05:31 | URL | EDIT

PATTI

さはんじさん、おはようございます(^-^)/うちの愛犬の名前からの連想記事?ありがとうございます(^o^)

私はその時、大学1年生。家族とニュース番組を見ていた時でした。
ジョンが撃たれたという衝撃と同時に、私の脳はビートルズ、ジョンレノンの回想に忙しく活動を始め、スクリーンをかけたみたいなぼんやりした耳に、同じニュース番組のキャスターの声で、ベトナムで民主憲法が採択されたというニュースが聞こえていました。
父が、ベトナムの悲しい歴史と独立よりも、一人のミュージシャンの死の方が大きいのか!と言った言葉を憶えています。でも、ジョンレノンがアメリカを批判し、ベトナム戦争に反対し続けた事を思うと、この同じ日に起きた事に何かあるんじゃないかと、因縁?それよりも陰謀めいたものも、その後ずっと感じています。
忘れてた記憶、さはんじさんに
呼び覚まされたo(^▽^)o

2012.05.31(Thu) 09:13 | URL | EDIT

さはんじ

Re: おはようございます (*^_^*) 

>フェイクさん
コメントありがとうございます。

ほほう、同年代のフェイクさんは、鮮明に覚えているのですね。
私は当時、何も考えてない単なるあほな男子高校生だったからなあ。
あの日に戻れたら「もうちょっとしっかりせい」って頭を叩いてやりたいですよ。
「あんたには言われたくない」って言われそうですけどね(笑)

2012.05.31(Thu) 15:26 | URL | EDIT

さはんじ

Re:

>PATTIさん
コメントありがとうございます。

記事の中にもある通り、この本はブログのテーマに合致しているとは言い難い類の作品なんですけど、PATTIさんの記事に背中を押してもらう形で、えいっと勢いよくアップすることができました(^^;。
勝手にリンク張っちゃいましたけど、ご勘弁を。

PATTIさんも非常に鮮明に記憶されているのですね。本当に私ってば何をしてたんだか…(;_;)

>スクリーンをかけたみたいなぼんやりした耳に、

この表現、秀逸です。衝撃の大きさが生々しく伝わってきますよ。

2012.05.31(Thu) 15:41 | URL | EDIT

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