あなろぐ懐古ログ 「ノイズリダクション」

2012.08.11(Sat)

前回お話しした通り、アナログ録音テープとヒスノイズは切っても切れない関係です。
原理的にどうしても発生してしまうノイズに対して、個人ユーザーができる対策には限界があります。しかも、録音の知識やスキルの乏しいユーザーが使用する、コンシューマーレベルの録音機材であるほど大きなノイズが発生するのですから始末が悪いと言わざるを得ません。
そこでハードウェアメーカーが、誰でもできるヒスノイズ低減対策として「ノイズリダクションシステム」という救世主のようなシステムを提供するようになりました。

ちなみに「ノイズリダクションシステム」には、映像信号用や無線通信用など、様々なものがありますが、もちろんここでは音声信号用についてお話しします。念のため。

重複しますが、ヒスノイズについてもう一度おさらいしておきます。
「hiss noise」の「hiss」とは、「シュー」とか「シー」という音をさす言葉で、そういった高音域の雑音を全般的に「ヒスノイズ」と言います。ここではアナログ録音テープが発する、いわゆる「テープヒス」と呼ばれる雑音についてお話ししています。

そう、ヒスノイズは高音域なのです。録音時には、ヒスノイズと同じくらいの高音域をイコライザー等で持ち上げて(高音域だけボリュームを上げて)録音し、再生時には、同じ高音域を同じだけ下げて再生すれば、録音する音楽などのソースはプラスマイナスゼロで理論上は同じ音になり、再生時に発生する高音域のヒスノイズだけボリュームが下がるはずですね。
これが「ノイズリダクションシステム」の基本的な考え方です。

これだけでもある程度の効果はありますが、実際には録音ソースの周波数や音量に応じて動作を変化させたり、周波数帯域をいくつかに分割してそれぞれに値を設定するなど、複雑な動作をさせているはずです。

「ノイズリダクションシステム」は、録音時と再生時に正反対の特性を持つ効果を正確に掛ける必要があります。どちらか片方だけでは録音ソースを正しく再現することができません。
録音テープは、必ずしも録音時と同じデッキ(や環境)で再生されるとは限りませんから、「ノイズリダクションシステム」には特性を統一するための規格化が必要です。
有名なところでは、米国ドルビーラボラトリーズ社やdbx社のものがありますが、他にも音響メーカーが独自のシステムを開発していたりします。カセットデッキなどに「DOLBY NR」などという表記があるのを見た事がある人も多いでしょう。これはドルビー社のシステムで、NRはノイズリダクションの頭文字です。

  NR2.jpg  NR.jpg

一般民生用のカセットデッキには主にドルビーBタイプやCタイプが搭載されています。それぞれ特性が違うので、録音時と再生時には同じタイプを使用しなければなりません。もちろんノイズリダクションを使用しないこと(OFF)も可能です。
ところで、「Aタイプはないの?」と素朴な疑問を持った人もいると思います。ドルビーAタイプは最初に開発された高価な業務用システムで、レコーディングスタジオや映画の音響などに使用されていました。

録音時と再生時にスイッチを入れるだけでヒスノイズを低減してくれるノイズリダクションシステムは、多くのユーザーに支持されて広く普及しました。ところが、こんなステキなシステムにも欠点があったのです。
アナログ録音テープは、録音時と再生時の音がまったく同じではありません。テープ自体の周波数特性にも個体差があるし、録音・再生時のレベル調整や、録再ヘッドの微妙な角度の誤差などによって音質が変化するので、ノイズリダクションの再生音もそれに影響されて音がこもったり、不自然な変化が見られる場合があるのです。また、短い時間の急激な音量変化にシステムの動作が追従できず、ノイズが聞こえてしまう場合もあったそうです。
私はノイズリダクションを使用すると、音がなんだかマイルドな感じになるな〜と感じていました。
今風に言うと「マイルドだぜぇ〜」ですね(コラコラ)。

オーディオファンの中にはノイズリダクションOFFの方が音質は良い、と感じる人も多く、変に音質が変化するくらいならヒスノイズがあってもガマンする、という「ワイルドだぜぇ〜」な人も少なくはありませんでした。(流行りのギャグはとりあえず使ってみたい私は、精神的に「チャイルドだぜぇ〜」です)

結局は、どんなに便利なシステムも、自分の耳をたよりに判断する事が大切なんですね。
(どんなに面白いギャグでも、時と場合をわきまえて使用する事が大切、とも言えます)


以上、今となっては何の役にも立たない、「ノイズリダクションシステム」についてお話ししました。


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COMMENT

PATTI

さはんじさん、こんばんわ。

お盆休みですか?
うちはないのよ、お盆休み。
あさってから勤務も始まるので
土日しかお出かけできなくなります。
どんな生活になるか、想像もつかない(笑)

では、お休み中
お怪我、急病のなき様

いってらっしゃいませ

2012.08.12(Sun) 00:09 | URL | EDIT

cyah

おはようございます。

私が持っていたカセットデッキは単に「ノイズリダクション」としか書かれていなかったなぁ・・・。
ドルビーBとCの違いがいまだによく分かりませんね。
メタルテープあたりは逆にオフにしたほうが良かったんだろうか?
今ひとつ使い方が謎な機能の一つではありました。

2012.08.12(Sun) 09:12 | URL | EDIT

さはんじ

Re:

>PATTIさん
コメントありがとうございます。

今年のお盆休みは少し変則にとりました。
第一弾として金曜日〜土曜日で、鎌倉に一泊旅行に行って来ましたよ。
5歳の子どもにはお寺巡りしてもつまらないだろうから、大仏と水族館、あとは江の電と湘南モノレールに乗るという行程でした。まあ大人も楽しんできましたけどね(^^)

第二弾は今週の金曜日から火曜日まで大阪の義父母の家に行ってきます。義父母としては娘と孫の顔が見たい訳で、私はどーでもいいお荷物であります(^^; ま、居心地のよくない(といったら失礼ですかね)旅行になりますが、がんばってきますね(^^)

2012.08.12(Sun) 16:04 | URL | EDIT

さはんじ

Re: おはようございます。

>cyahさん
コメントありがとうございます。

表記が「DOLBY NR」だけだったら、それはBタイプの事ですね。まだ後発のCタイプが出ていなかった頃のデッキなのでしょう。
Bタイプをもっと強力にしてノイズ低減効果をアップしたのがCタイプです。

カセットデッキだけを見ても、ノイズリダクションやテープの種類、それに各メーカー独自の機能が色々と搭載されて、それに関する約束事が多いために、オーディオという趣味はハードルが高くなってしまったのかもしれません。
マニアはその約束事を楽しんでいたのでしょうけどね。

2012.08.12(Sun) 16:16 | URL | EDIT

まーる

((φ(..。)

なるほど~('-'*)(,_,*)('-'*)(,_,*)
確かに、わたしも
「DOLBY NR」のような表記、何かで見たことある気がします♪
ただ、何を使うにも
すごく必要に迫られるか、本当に困り果てるまで
取扱説明書なるものを読まない(読みたくない)わたし、
その表記を見ても
「これ、なんだろ?ま、いっか♪」
で、おしまい、になっちゃってました(TωT)
ノイズリダクションシステム・・・
そういったものだったんですねφ(・ω・ ) わぁ♪

今となっては何の役にも立たない、とのことですが(笑)
でも、こうしてお話を聞けること
分かりやすく説明していただけること
わたしはすごく楽しいし、嬉しいですo(^0^)o
わたしの場合は、知らないことだらけだから・・・
いつも
「へえ~!そうなのかぁ♪」
って思いながら読ませていただいてます(^-^)

ところで、さはんじさん♪
最近はスギちゃんのギャグな気分なんですか(σ・∀・)σ (笑)
せっかくなので(?)
デニムベストも着てみるとか・・・どうでしょ?:*:・( ̄∀ ̄)・:*: www
スギちゃんのせいで
今年の春夏のイチ押しアイテムだったデニムベストも
全然売れなかったそうで
そのことをたまたまテレビで知ったとき
「ある意味すごいな」
と思ったわたしです( ´艸`)

2012.08.12(Sun) 16:37 | URL | EDIT

さはんじ

Re: ((φ(..。)

>まーるさん
コメントありがとうございます。

「今となっては何の役にも立たない」は、この「あなろぐ懐古ログ」のコンセプトでありますから、決まり文句として今後も謳っていきますよん。ま、キャッチコピーみたいなものとして、右から左へ受け流していただければ幸いです。…ムーディー勝山って知ってます?(笑)

といっても、アナログ録音機材は完全にこの世から消え去った訳ではないので、もしかしたらどこかで何かの役に立ってしまうかもしれません。そのときは「ルネッサーンス!」とワイングラスを合わせていただければ幸いです。まあ、ダメなら「ひぐちカッター!」でもいいです。

デニムベストですかあ、似合わないでしょうねえ>私 腕細いし。
有名人のファッションが流行に影響を与えることはよくありますけど、全然売れなくなるという負の作用が生じるケースは珍しいかもしれませんね。ちょっと悲しいですけど、考えてみれば「あ、そのデニムベスト、スギちゃんを意識した?」とかって言われるの、嫌かも…(^^;




2012.08.12(Sun) 22:33 | URL | EDIT

浦太

私はドルビーはチョッとコモッた感じになるので嫌いでしたが、dbx付きのカセットデッキやカセットMTRは愛用してました。

2012.08.13(Mon) 04:44 | URL | EDIT

さはんじ

Re:

>浦太さん
コメントありがとうございます。

dbxはドルビーNRとは仕組みが違って、音声全体を圧縮するので全帯域でノイズが軽減でき、過大入力にも強いというメリットがありました。
グレードの高めのデッキやMTRに搭載されていましたね。

2012.08.13(Mon) 09:56 | URL | EDIT

PATTI

DOLBY か、dbxどちらだったかな?80年代の映画のエンドロールでもよく見たんだけど・・・

私のカセットデッキにもDOLBY NRとありました。たいていONの方にスイッチを合わせてたと思いますが、たまに、すごく音がこもるので、OFFにしていたような記憶があります。
今週末、近畿地方にいらっしゃるのですね?じゃあ、クラッカーをパ~ンと鳴らしてv-315歓迎いたしましょうv-300

祝 さはんじさま ご来阪

ほら、これでもう、お荷物じゃあ ありませんよ!

2012.08.13(Mon) 18:34 | URL | EDIT

さはんじ

Re:

>PATTIさん

ドルビーはノイズリダクション以外にも映画の音響と大きな関わりのある会社で、80年代の映画でクレジットされていたのはたぶんサラウンド関連のドルビーステレオというシステムだと思います。他にも映画音響に関連したドルビーのシステムはたくさんありますよ。

歓迎していただき、ありがとうございます(^^)
大阪、暑いんだろうなあ〜(^^;

2012.08.13(Mon) 22:15 | URL | EDIT

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