群ようこ「音の細道」

2012.09.27(Thu)


音の細道 (幻冬舎文庫)音の細道 (幻冬舎文庫)
(2008/02)
群 ようこ

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音に関する本のレビュー、今回は群ようこの『音の細道』をご紹介します。
群ようこといえば、やはり映画「かもめ食堂」の原作者ということで有名だと思いますが、主に女性から多くの支持を受けている作家・エッセイストですね。
この本は音(主に音楽)にちなんだ内容のエッセイ集で、幻冬舎のフリーPR誌「星星峡」に連載されていた作品をまとめたものだそうです。本は苦手、という方でも気軽に楽しく読めるのではないかと思いますよ。

実は、国内ミステリが好きな私は、群ようこ作品を読んだ事がありませんでした。もちろん名前は知っていますし、「かもめ食堂」も(観てはいません、ごめんなさい)知ってます。けど、ただ知っているだけ、だったのですね。私が今回この本を手に取ったのは、図書館で見かけてタイトルに惹かれた、というのが正直な理由です。

正直といえば、この本に収録されたエッセイ達の何と正直なこと。語り口は、よく言われる「軽妙」というよりは相当にシニカルで辛口なのですが、これって偽らざる本音だよなあ、としみじみ感心してしまいました。それでいて可笑しくて、思わず吹き出してしまうんですね。
あ、そういうのを「軽妙」っていうのかな(笑)

たとえば、
洋楽ファンは日本の歌謡曲を見下しているところがあるけれど、そんな洋楽ファン(作者ご本人です)が北島三郎の歌に「がーん」と感じ入ってしまったときの狼狽…。いまどきの歌って踊るアイドル達が、十数年後に「あの人は今」みたいなテレビ番組に出たら、視聴者が納得するようなパフォーマンスができるのだろうか…。彼女に自作の歌をプレゼントする男は気持ち悪いが、そういう自分は愛猫のあまりの可愛さにでまかせの鼻歌を作って歌っている…。隣のおやじが日曜日の午後に突然テナーサックスで「タブー」を演奏しはじめた…。海外旅行でタイの島に行ったとき、なぜか友人が吉田拓郎のCDを持ってきた…。
等々、日常生活の中に転がっている突拍子もない出来事や発想をすくい上げ、淡々と語りながらも、主張や本音をきちんと織り交ぜています。さすが、巧いなあ。

文中の内容から察するに、作者は私よりも10歳ほど年上のようです。懐かしい音楽ネタなども散りばめられていて、40代以上の人なら共感できる部分がたくさんあると思います。
若い人には…、これが大人の本音なのだよ、って言いたいですね。


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COMMENT

cyah

音楽系では無いですがエッセイと言ったら椎名誠さんとムツゴロウ先生、妹尾河童さんあたりですね。
特にムツゴロウ先生は小説はダメだけどエッセイやらせたらかなり面白い文章書きます。
エッセイ専門の作家も結構いるみたいですね。

2012.09.27(Thu) 23:04 | URL | EDIT

さはんじ

Re:

>cyahさん
コメントありがとうございます。

私、本当にエッセイって読まないので(雑誌や小冊子に載っているものは読むこともありますけど)ちゃんとしたコメントが返せなくて申し訳ないです。もちろんお3方とも知ってはいますけど。
ムツゴロウさんのエッセイですか、おもしろそうですね。

そういえば、むか〜し読んだ五木寛之のエッセイ集は面白かったな〜。って、その程度です、私(^^;

2012.09.28(Fri) 14:40 | URL | EDIT

hide

さはんじさん、おはようございます。そうですね、共感出来るとこ多すぎ!3月に満席状態のヘレンメリル観たとき、はたしてA○B48の子らが、80歳で客呼べる?と思ったり、島津ゆたかの「ホテル」の(手紙を書いたら叱られる。電話をかけてもいけない♪)演歌、昭和の歌謡曲は味が有るというか、笑えます。と、いうわけで、またまた乗っかり買いさせて頂きました。面白いに決まってるじゃないですか!

2012.10.01(Mon) 09:00 | URL | EDIT

さはんじ

Re:

>hideさん
コメントありがとうございます。

読んでいただけましたか。こういうエッセイって、いつもアンテナを張り巡らせていないと、読者に共感してもらえる文章にはならないんだろうなと、やっぱり作家さんってスゴイなと、改めて思ってしまいます。
昭和の歌謡曲、たしかに今になってみると可笑しなところがたくさんありますが、そこがまたイイと思います。懐かしさって、不思議な感覚だと思えてきました(^^)

2012.10.01(Mon) 11:52 | URL | EDIT

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