コラボ「バードランドの子守唄」その4 最終ミックス〜完成

2013.07.19(Fri)

前回はボーカルトラックの調整を行いました。今回はいよいよ最終ミックスダウンまでいこうと思います。

と、その前にお知らせがあります。このコラボのユニット名が決まりました。「OverCUES」です。
コラボメンバーの頭文字をとって「CUES」、更に現状を超えていこうという事で「Over」をつけました。
・・・うそです。これは後付けです(というか、今、適当に考えました)。
ホントは、ふざけて「オバキューズとかモロキューズなんてどう?」みたいな事を言ったら、ちょっと形は変わりましたが「オーバーキューズ」に決まっちゃったんですよ〜。なんて素敵なメンバーでしょう(笑)
今後このコラボは「OverCUES」という名称で続けていきますので、よろしくお願いいたします。
(後日記:都合により OverCUES の活動は終了しました)

さて、お待たせしました。「バードランドの子守唄」その4、いってみましょう!

それでは各パートにリバーブ(残響)をつけましょう。楽器や歌に空間を感じさせる響きを加えることで、より見映え(聴き映え?)のよいサウンドになります。音楽の製作、特にジャズやバラードなどのジャンルになくてはならないエフェクトと言えるでしょう。カラオケを歌うときだって、エコーがあったほうが気持ちいいですよね。これによって雰囲気が大きく変わる、言うなればお化粧の最後の仕上げです。
リバーブは各トラックにインサートするよりも、センド・リターンでかけるほうがコントロールの自由度も高く、場合によってはパソコンのCPU負荷の軽減にもなるので、お薦めです。

まずはオケです。ピアノ、ベース、ドラムの各パートに同じリバーブをかける事で、ひとつの部屋(空間)の中で一緒にプレイしている感じを演出します。色々と試してみた結果、「P&M DIGITAL REVERB」というプラグインの「Dark Space」というプリセットがジャズっぽい雰囲気でいい感じだったので、これを使用します。余談ですが、このプラグインエフェクトはネット上の無料キャンペーンで入手したものです。って、ほんとにどーでもいい情報ですね(苦笑)。
このプラグインをインサートしたひとつのAuxトラックに、各パートのバスセンドから音を送ります。こうすると立ち上げるエフェクトがひとつで済むので、CPUにやさしいエコな方法といえるかもしれません(笑)。
センドレベルを調節することでリバーブの深さ、つまりは奥行き感をコントロールします。今回はピアノとベースは同量、ドラムは他よりも少し深めにリバーブをかけました。さらに、エンディング部分のドラムのリフがサウンド的に少し寂しい気がしたので、この部分だけリバーブをより深めにします。これはバスセンドのオートメーションでコントロールしました。

inst_Rev.png  drum_send.png


ボーカルのリバーブも同様の手順でかけていきます。こちらはProTools付属の「D-Verb」を使いました。ところが、ボーカルの高域をEQで強調しているせいか、残響も高音域が少し耳につくような気がします。こういった場合、リバーブのパラメータ(ローパスフィルターなど)を調整するか、リバーブ成分のみにEQをかけてハイをカットするのが普通かと思います。ですが、試しにEQ処理をしていない大元のボーカルトラック(フェーダーオートメーションで音量調整をしている、ちょっと音のこもったトラック)のバスセンドからリバーブへ送ってみると、柔らかくていい感じのサウンドになったので、今回はこちらを採用しました。
ボーカルはこの曲の主役ですから曲調も考慮してゴージャスに、それでいて明瞭度を損なわない程度に、オケとの兼ね合いも気にしつつ慎重にリバーブの深さを決定します。

vocal_Rev.png


さあ、あとは全体をよく聴いて気になる部分を微調整し、各パートのバランスをとりながら音量を決めればミックスダウンは完了です。作業はいよいよ大詰めですが、ここでも適度に休憩をはさみながら、できるだけ耳をリラックスさせてミキシングしたいですね。

最終バランスを決める際には、いくつか別のスピーカーで聴いてみて、そのどれもが同じ印象に聞こえるのが理想ではあります。まあ色々な都合があってそううまくはいかない場合がほとんどでしょうけどね。私は1組のスピーカー(YAMAHA MSP5)しかありませんが、大きな音量・中くらいの音量・小さい音量で、それぞれ聴いてみて、すべてに違和感のないバランスを見つけるようにしています。特に、小さい音量で聞いたときのバランス感を重要視しているつもりです。

ミックスができあがったら曲のアタマにあるカウントをミュートして、完成品のオーディオファイルを書き出しますが、今回はその際に疑似マスタリングも行ってしまいます。
マスターフェーダーに「Maxim」というレベルマキシマイザーをインサートし、ピークを3dBだけコンプレッションして音圧を稼ぎ、より聴きやすくします。やりすぎるとこれまでのミックスが台無しになるので(笑)これ以上は強くかけないほうがいいでしょう。ヘビーなロックやダンスミュージックだったら、もっとゴリゴリかけて音づくりをする場合もあるでしょうけどね。
さらに、このプロジェクトは32ビットですが完成ファイルは16ビットにしたいので、ここで量子化ビット数のダウンコンバートも行ってしまいます。「Maxim」のディザーをONにして、16ビットを選べばOK、簡単ですね。
(アルバムに収録するなど、将来的にこの曲をもう一度マスタリングする可能性がある場合は、「Maxim」をオフにした状態で32ビットファイルを書き出しておくといいと思います)

total_comp.png


さて、すべての設定が終わったら、プロジェクトを16ビットで書き出せば、めでたく作業は完了です。
最終の仕上がりはこんな感じになりました。
動画キャプチャーをしつつ画面全体をスクロールさせたら、CPU負荷が大きくなってしまったらしく、動きがカクカクしてしまいました(悲)。見にくくてすみません…。




パソコンでご覧の方は、YouTubeの画質の設定を720pにして全画面表示にすると、かろうじて細かい文字なども読めるかと思います。が、読めないぞ〜、とおっしゃる方のために、音声信号のルーティングが一目瞭然のミキサーウインドウの画像も載せておきます。いやあ、こんなにしっかりとDAWの画面を見せるのは、とても恥ずかしいものですね(笑)。

mixerOK.png


現在、YouTubeのOverCUESチャンネルには、メンバーの浦太さんによる驚きのボーカロイド楽曲「和 Yawaragi」の試聴版がアップされています。えむさんの美しい写真と共にぜひぜひご覧下さい。


以上、4回に渡ってミックスダウン作業をご説明してきました。何かの参考になりましたでしょうか。
専門的なお話しに長い事おつきあいいただき、ありがとうございました。


  


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COMMENT

浦太

お疲れ様でしたー。
いやぁ、いつもの事ながら丁寧な説明ですねー。

私の方も記事投稿しましたよー。
こんな丁寧な記事じゃないですけど。

2013.07.18(Thu) 16:52 | URL | EDIT

千坂あつこ

お疲れ様でした〜

さはんじさん、本当に丁寧にお仕事していただいてるんだな〜と、改めて驚くと同時に、感謝の気持ちでいっぱいです。

専門用語、ここまでくるとさっぱりわかりませんが、なんか、ありがた〜いお経の様に、一言一言、もったいない…もったいない…と、こうべを垂れ、てをおしいただいて読ませていただきました…もちろん嘘です(-_^)

2013.07.18(Thu) 17:22 | URL | EDIT

さはんじ

Re:

>浦太さん
コメントありがとうございます。

お疲れ様でした。コラボ企画最初の記事ということで、できるだけ細かく書いてみました。
ほぼ完成しているオケだったので、作業内容が少なかったからできたんですよ、きっと。
本格的なミックスをこのペースで解説したら、いつまでかかるかわかりません(笑)。

2013.07.18(Thu) 18:45 | URL | EDIT

さはんじ

Re: お疲れ様でした〜

>千坂あつこさん
コメントありがとうございます。

お疲れ様でした。先日もコメントしましたが、本当に文字にするとめちゃめちゃ丁寧な仕事に見えちゃうから不思議です(笑)。記事の執筆ペースが遅いのも、丁寧に見せるマジックだったりして。

専門用語が多いのは、本当に申し訳ないです。
こういった記事を今後も続けるのであれば、録音用語集のような記事も必要かもしれないですね。

2013.07.18(Thu) 18:51 | URL | EDIT

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