あなろぐ懐古ログ 「フィードバックエコー」

2013.11.05(Tue)

今回のあなろぐ懐古ログは少し趣向を変えて、テープレコーダーを使ってエコー(山びこ効果)を作り出す方法をご紹介しようと思います。専用のエフェクターがなくても工夫次第でエコー効果を得られるという先人の知恵ですね。って、ちょっと大袈裟かな(笑)。これは録音テープを使ったエコーなので「テープエコー」とか、あるいは効果の仕組みから「フィードバックエコー」などと呼ばれています。

使用するのはミキサーとオープンリール式テープレコーダーです。え、そんなもの無い? わかってますって。だからこそ、今となっては役に立たない「あなろぐ懐古ログ」なのです(笑)。

なぜオープンリールテープレコーダーなのか、というと、録音時に再生ヘッドからの再生音を聞くことが必要だからです。カセットデッキにも3ヘッド式のものはありますが、たぶんこうした使い方はできないと思います。で、それができるのは私の知る限りオープンリール式のテープレコーダーだけなのです。たぶん。

この記事を書くために10年以上使っていなかった私のテープレコーダーを引っぱり出してきましたよ。さすがに元気な状態とはいえませんでしたが、なんとか動かすことはできました。

MX5050.jpg
オープンリールテープレコーダー

このテープレコーダー(以下、テレコと記します)のヘッド部分はこんな風になっています。

head_text.jpeg


録音状態のとき、テープはまず消去ヘッドを通過して、事前に録音されていた音を消去されます。次に録音ヘッドで新たな音が記録(録音)され、その後に再生ヘッドでその音を再生することができるのです。
このテレコは録音ヘッドと再生ヘッドの距離が約3cmです。テープの走行速度が19cm/s(1秒間に19cm進む)の場合、録音された音は(3cm/19cmで)、およそ0.16秒後に再生されることになります。
つまり、テレコに入力された音はテープに録音され、そしておよそ0.16秒遅れて出力されるんですね。これがミソです。

さて、ミキサーとテレコの接続ですが、これはいたってシンプルです。
まずミキサーの出力をテレコに入力します。これは録音をするための当たり前の接続ですね。そしてテレコの出力をミキサーに入力します。簡単な接続図を作ってみました。

接続図

あはは、シンプルかつ分かりやすい図になりましたね(自画自賛)。ミキサーの図は、それっぽく見えるようにフェーダーを描いていますが、それぞれのフェーダーの位置に意味はありません。念のため。そしてテレコに関して、カエルやロボットの顔みたいだというツッコミは一切受け付けません。念のため。

さてさて、青い矢印が音声信号です。右側にある音源は便宜上マイクロホンのような形をしていますが、音の出るものなら何でもかまいません。ここから出た音はミキサーに入り、テレコを経由してまたミキサーに戻ります。普通に考えればミキサーとテレコの間に音声信号のループが発生してハウリング状態になるところなのですが、先述のように録音状態のテレコは音が遅れて出力されます。この音声の遅延(ディレイ)がループ(フィードバック)することで、エコー効果が得られるのです。

エコーの量はミキサー上の、テレコからの入力フェーダーで調整できます。フェーダーを下げ切っていればもちろんエコーは発生しません。フェーダーを上げていくとエコー効果がだんだん深くなり、上げ過ぎると発振状態(何もしなくてもエコーがどんどん大きくなる)になります。

ではこの方法で作った音を実際に聞いていただきましょう。音源は、このブログではもうお馴染みになった(?)私の声です。始めはエコー無しの状態で、徐々にフェーダーを上げてエコーを大きくしています。







いかがですか、カラオケでよく耳にするエコーにちょっと似ていますね。
音質があまり良くないのは、テレコの整備不足と録音テープのコンディションが悪いためです。10年以上通電もせずに放ったらかしていた機材ですから、ご勘弁くださいませ(汗)。
ところで、私のテレコはテープ速度38cm/sにも対応しています。こうすると遅延は半分になっておよそ0.08秒になりますね。この状態でも同じようにやってみました。







うーん、ディレイタイム(遅延時間)が短すぎて、あまりエコーっぽくないですね。でも楽器などにかけると面白い効果が得られるかもしれません。
ディレイタイムはテープ速度に依存するので、基本的には可変できません。私のテレコのように2段階の速度切替えができるものなら、2通りのディレイタイムが選べることになります。ただし、バリアブル・スピードコントロール(再生速度の連続可変)機能のついたテレコであれば多少の調整はできるでしょう。


このフィードバックエコーの利点は、何と言っても専用エフェクターを用意する必要がないことです。録音中にエコー効果が必要になったとき、録音しているテレコの出力をミキサーに返してフェーダーを上げるだけで、立派なエコーが得られます。慌ててエフェクターを持ってきたり、ミキサーの接続やパッチを確認して「えーと、エフェクトセンドがどこで、リターンが何チャンネルで・・・」なんて考える手間が要りません。しかも、エコーのかかった音はそのテレコにばっちり録音されているのです。
うーん、エコだね。 エコーだけに。

…。

はい、お後がよろしいようで。

という訳で、以上、今となっては何の役にも立たない「フィードバックエコー」について、その仕組みと手順などをお話しいたしました。


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COMMENT

まーる

((φ(..。)

( ̄▽ ̄)=3



↑の解説(?)を・・・します(;´▽`A``

フィードバックエコーについて、楽しく読ませていただきました(^-^)
さはんじさん、いつも、できるだけ分かりやすく書いてくださるので
わたしでも楽しめちゃう。
ホント、ありがとうございます♪
なのに・・・みなさんみたいに
機材について、とか、音について、とか、その思い出、とか・・・そういうの
なぁんにもない、なぁんにも出てこないわたしでしょ?
テレコが顏に見える、とか
(さはんじさんの絵が、というより
 テレコ自体が顏に見えて、とてもかわいい、って思いました♪)
わーい、さはんじさんの声だ~、とか
およ、久しぶりにさはんじさんのダジャレらしいダジャレを聞いたような?とか
そういったことなら出てくるし、書けるけれど
・・・それだと、わたし的に違うなぁ、って。
さはんじさんやこの記事に対して失礼な気がして。
・・・とあれこれ考えて、考え過ぎて
落ち込みそうになっちゃったり
いやいや、落ち込んでしまったりしたら
さはんじさんに迷惑をかけちゃうじゃん、とか
そもそも、なぜ落ち込むのさ?とか・・・
なぁんにも書けない、けど、コメントしたい、
どうしたら?と思ったら、さっきの
顔文字だけ、になっちゃいました( ̄ー ̄;

と、結局、こんなへんてこりんなコメントを書いて
迷惑かけてしまっています。
なんでこんなコメントなのに
「書いてみよう」
と思ってしまった今日のわたしなのか・・・
変・・・ですよね?(@ ̄Д ̄@;) んぐぅ。。。

あのぅ・・・これ、公開、非公開、削除は
さはんじさんにお任せします<(_ _)>
なんかホント、ごめんなさい。

2013.11.05(Tue) 21:47 | URL | EDIT

浦太

懐かしいですね…ですね…ですね…ですね…
(ホントはフォントの大きさ変えたかったです)
(ホントとフォント、さはんじさん好み?!)

2013.11.05(Tue) 22:27 | URL | EDIT

pipco1980

懐かしいです!

オープンリール2台を使ったフリパートロニクス(byFRIPP & ENO)!なんてのもありましたね。原理は同じですが、2台あるので、2種類のディレイタイムを組み合わせたハーモニーやリズムで独特世界を構築してました。

本論とは離れますが、高校生の頃、消去ヘッドや録音ヘッドに逐次セロテープを張って、簡易多重録音で遊んでましたね。

ああ懐かしや。

2013.11.05(Tue) 22:48 | URL | EDIT

さはんじ

Re: ((φ(..。)

>まーるさん
コメントありがとうございます。

いえいえ、記事に関するコメントであれば、どんなものでも大歓迎です。
決して失礼なんてことはありませんので、気楽に書き込んでくださいませ。(^^)

2013.11.06(Wed) 11:37 | URL | EDIT

さはんじ

Re:

>浦太さん
コメントありがとうございます。

懐かしいと言ってもらえることがとても嬉しいです。
記事を書いた甲斐がありました。…ました…ました…
(書いた甲斐、です。もちろん大好物です)
テキストエコー、真似しちゃいました〜(^^;

2013.11.06(Wed) 11:43 | URL | EDIT

さはんじ

Re: 懐かしいです!

>pipco1980さん
コメントありがとうございます。

ロバート・フリップのフリッパートロニクス、詳しくないのでちょっと調べてみました。
いろいろなバージョンがあるみたいですが、2台のテレコに1本のテープをかけることで録音ヘッドと再生ヘッドの距離を長くして、ロングディレイを作りループさせ、繰り返し録音していくもののようですね。
アナログには様々なアイデアを具現化する余地がたくさんあったんだと、あらためて思います。

なんと、ヘッドにセロテープを貼っちゃいましたか!
それもおそろしく強引なアイデアですね。ヘッドのクリーニングが大変そうだ〜(^^;

2013.11.06(Wed) 11:56 | URL | EDIT

ももPAPA

こんばんわ

テープ式エコー
ひと昔前は、その仕組みを1ボックスに仕込んだものもあったような気がします。
エコーチェンバー?
これは エコーマシンの別名だったかな
今回も興味を惹かれる記事で、興味深く読ませていただきました。

2013.11.09(Sat) 22:27 | URL | EDIT

さはんじ

Re:

>ももPAPAさん
コメントありがとうございます。

テープ式エコーマシンですね。
これは録音テープをループにつないでエンドレス状態にしたものに録音し、複数の再生ヘッドで順番に再生することでエコー効果を得るものだったと思います。得られるエコーは似ていますが、仕組みは別ものですね。
こちらは専用機なので、テープの速度を変えたり再生ヘッドの選択ができるなど、エコーに変化をつけるための自由度が高いものだったはずです。

2013.11.10(Sun) 00:02 | URL | EDIT

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