Chick Corea Elektrick Band 『LIGHT YEARS』

2010.10.13(Wed)


Light YearsLight Years
(1990/10/25)
Chick Corea

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『THE CHICK COREA ELEKTRIC BAND』の翌年に発表されたチック・コリア・エレクトリックバンドのセカンドアルバム『LIGHT YEARS』では5人の正式なメンバーが確定し、その内容は前作に比べてポップになったと言われています。今回もそのサウンドに注目しながら聴いていきたいと思います。

『LIGHT YEARS』では前作『THE CHICK COREA ELEKTRIC BAND』に比べてドラムのサウンドに大きな違いを聴き取ることができます。曲ごとに音色は様々ですがスネアの存在感が非常に大きくなり、バスドラムと左右2本のハイハットと共に基本的なリズムを作り出しています。頻繁に打ち鳴らされていたタム類の使用頻度は大幅に低くなり、ここぞというポイントで深みと迫力のあるサウンドを聞かせてくれています。ドラムにはたっぷりとリバーブがかかっていますが音量は大きめで、特にスネアは最前面に聞こえます。
前作では音像も小さく控えめだったドラムが、今作でではくっきりとメリハリを伴ったサウンドになっています。タム類の音数が減った分だけリズムがシンプルになり、他の楽器についても複雑で譜割りの細かいアドリブが少なくなって、聞きやすくなっていることが、このアルバムがポップであると言われる所以なのでしょう。

キーボードはエレピ系の音色の割合がぐっと減り、生ピアノが多く登場するようになりました。新メンバーにはサックスも加わっていますし、前作からウッドベースも使われています。エレクトリックバンドとは言っても電気楽器にこだわっている訳ではないようです。むしろどんな楽器でもこだわりなく使うことにこだわっている(ん?なんだこの文章?)のではないでしょうか。そういえばシンセサイザーのシーケンスも前作よりずっと多く使われているようです。

サックスやギターはかなり派手な音色と演奏ですが、深めのリバーブがかかり音量も小さめでドラムの奥のほうから聞こえてくるようなサウンドになっています。ベースのソロやリード系キーボードも同様で、とにかくリズムを前面に押し出す事を重視しているかのようです。基本的にはパルス的でパーカッシブなサウンドが手前に、リリースの長いサウンドを奥に配置してあるように思います。

そしてこのアルバムのサウンド的な特徴として最も強く感じるのは、複数の違う音色を同時に鳴らすことにより、厚みや広がりを出す試みを意欲的にしている事です。前作でもその傾向は見られましたが、この『LIGHT YEARS』ではより顕著になっていると思います。
生ドラムをトリガーしてシモンズを同時に鳴らし、そのミックス度合いによって様々な音色を作り出したり、生ピアノもmidi仕様の物を使い、様々なシンセサイザーを同時に鳴らしています。更にサックスやギター、キーボードは非常に複雑なアドリブ風のメロディをもユニゾンで演奏しています。これはミキシング作業において、同じ定位に配置することで厚みを増し、今までに聞いた事のないような音色や、個々の楽器のみでは出せないニュアンスのサウンドを作りだしたり、定位を左右に振り分けることでダブリングのような効果を出し、広がりを演出したりしています。
これはおそらく非常に高度で正確な演奏技術が要求される試みで、新メンバー(ギターのフランク・ギャンバレとサックスのエリック・マリエンサル)を選定する際の大きな基準のひとつになったのではないかと思います。

チック・コリア・エレクトリックバンドのメンバーは、それ以前も知る人ぞ知る実力派ミュージシャンでしたが、このアルバム『LIGHT YEARS』発表後に大ブレイクし、それぞれが何枚ものソロアルバムをリリースするほどになりました。これらのミュージシャンを世に出したという意味でも大きな価値を持つアルバムだと思います。




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