Chick Corea Elektrick Band 『EYE OF THE BEHOLDER』

2010.10.20(Wed)


アイ・オブ・ザ・ビホルダーアイ・オブ・ザ・ビホルダー
(2005/03/30)
チック・コリア・エレクトリック・バンド

商品詳細を見る


チック・コリア・エレクトリックバンド、なんとまさかの3連続レビューです(笑)。セカンドアルバム『LIGHT YEARS』はポップで聞きやすい内容になり、今後は同じ路線でいくのかと思いきや、翌1988年に発表された3作目『EYE OF THE BEHOLDER』は、またもや前作とはガラッとカラーの変わったアルバムになっています。

前作『LIGHT YEARS』のイメージを持ったままこのアルバム『EYE OF THE BEHOLDER』を聞いた人は、そのあまりにも違う曲調に驚いたのではないかと思います。リズムを押し出した明るいアルバムから一転して、深くダークな世界を持つアルバムになってしまいました。まあこちらのほうがチック・コリアらしい音楽と言えるのでしょうが、私も含めて「これがエレクトリックバンド?」と思った人は多かったのではないでしょうか。

まず1曲目はこのアルバムの序章のような曲で、深いリバーブを伴ったパーカッション類が神秘的なイメージを作り出し、追ってパッド系のストリングス風シンセサイザーが暗く重厚な雰囲気を盛り上げます。このシンセサイザーのオーケストレーションの中に、これもまた深い深いリバーブのかかったエレキギターとサックスが現れます。周りのサウンドにあまりにも馴染んでいて、ギターとサックスもシンセサイザーなのではないかと思ってしまうくらいです。定期的に打ち鳴らされるタムの重低音が印象的です。

これまでのアルバムならばここからメリハリの効いたリズムが立ち上がってきそうなものですが、この中から現れるのはクラシカルな雰囲気を持ったアコースティックピアノです。曲は続いていますが、このピアノが始まる時点から2曲目の扱いになっています。控えめなリズムを伴ってアコースティックギターやサックスのソロが続き、チック・コリアらしいダークなジャズが展開されていきます。
さらにピアノソロの曲を挟んで、エレクトリックバンドらしく力強いドラムが登場するのは4曲目になってからです。ただし暗めの曲調はそのままで、音像の大きなスネアドラムも高域を抑えてあり、ハイハットやシンバルといったカナモノ類も非常に控えめに鳴っています。ベースの存在感が大きく、相変わらずギターやサックスは奥のほうから聞こえてくる感じです。

アルバム後半になると、前半に展開していた独特の世界と、前作までのエレクトリックバンドらしい雰囲気が(音楽的にもサウンド的にも)融合してくるように思います。このアルバムでは全体にアコースティックピアノのパートが非常に多くなり、チック・コリアお得意のスパニッシュ風ジャズの色合いが濃くなっています。エレクトリックバンドという、どちらかというと企画もののようなコンセプトを持って始まったと思われるこのユニットですが、チック・コリアはこのメンバーで自分本来の音楽をやってみたくなったのではないでしょうか。そしてそれは結果的にチック・コリア・エレクトリックバンドの音楽性の幅を大きく広げるものになったと思います。
このアルバムの9曲目の表題曲や、特にラスト11曲目などは、この翌年にリリースされるチック・コリア・アコースティックバンドを予感させるような、よりジャズ寄りの曲調となっています。

ところで、このジャケットのイラストは実によくアルバムの雰囲気を表していると思うのですが、右下に描かれている小さな牛の人形?は一体何なのでしょうね。裏ジャケットのメンバーの写真にも写っているので、何か意味がありそうですが…。


 


  よろしければランキング投票をお願いします→ 

COMMENT

POST COMMENT


プロフィール

さはんじ

Author:さはんじ

FC2カウンター

ブログランキング参加中


にほんブログ村 音楽ブログ CDレビューへ
にほんブログ村
ブログランキングならblogram

おきてがみ


足あとを残せます。

アーカイブ

 

検索フォーム

Amazon 特集情報



Google AdSense

まずは「知る」ことが大切


blogram

にほんブログ村ランキング

↑
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。