Eagles『DESPERADO』

2010.10.27(Wed)


DesperadoDesperado
(1994/10/11)
Eagles

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今回のレビューは恐れ多くもロックの名盤、1973年に発表されたイーグルスのセカンドアルバム『ならず者』です。これは西部開拓時代のギャング団を題材としたコンセプトアルバムで、アルバム全体がひとつのストーリーとして構成されています。が、その種の解説はさておき、ここではあくまでもそのサウンドを主体に聴いていきたいと思います

この『ならず者』は、カントリー色の強いアコースティックな楽器と、ハードなロックンロールのサウンドのコントラストが絶妙に融合したアルバムだと言えるでしょう。カラッとしたいわゆるウエストコースト・サウンドではなく、全体に高域のヌケが悪く、それ故に力強いサウンドといった印象で、それはアコースティックギターやバンジョーなどの生楽器類にも共通しています。単純にとらえれば音質が良くない、とも言えるでしょうが、西部開拓時代という舞台設定にはマッチしたサウンドだと思います。また、それほど酷い音質でもありませんし、音楽的にはとても魅力的なサウンドです、念のため。

特徴的なのはドラムのサウンドです。響かないドラムセットを思い切り叩いているような、太くて重い、どちらかといえばボコボコしたような力強いサウンドで、ハードなロックナンバーだけでなく、アコースティックギターを基調としたフォークロック風の「ドゥーリン・ドルトン」や、名曲「ならず者」のようなバラードでも、同様のドラムサウンドを聴くことができます。これがミスマッチかと思いきや、意外にも(?)ハマッていますね。
シンバル類も高域は控えめで、ハードロックのような「アウト・オブ・コントロール」の半開きのハイハットもガシャガシャと耳につくようなウルサさはなく、適度な騒々しさ(我ながらすごい表現だなあ)で雰囲気を作り上げているように思います。
また、「アウトロー・マン」のタムのフィルは実にパワフルで、そのレンジ感は素晴らしく気持ちの良いサウンドです。

普通に考えればアコースティックなカントリーミュージックと、パワフルなハードロックではその音量差は桁違いのはずですが、このアルバムでは適度なダイナミックレンジをもって違和感なく組み合わされていると思います。また、いくつかの曲の切り替えがクロスフェードしていますが、このタイミングや深さが絶妙で、思わず「巧い!」とつぶやいてしまうほどです(笑)。
イーグルスの他のアルバムに比べてボーカルのレベルがやや大きめかな、という気がしますが、ストーリー性のあるコンセプトアルバムということで歌詞をきちんと聴かせたいという配慮なのかもしれません。

さて、ここでアルバムの表題曲となっている5曲目の「ならず者」にスポットを当ててみたいと思います。この曲は多くのアーティストにカバーされていますし、色々なテレビ番組や映画などにも主題歌として使用されるなど、もはやスタンダードナンバーと言える、誰もが認める名曲でしょう。意外な事にこの曲はシングルカットされていないのだそうです。
やわらかく広がりのあるアコースティックピアノと、滑らかに忍び込むように入ってくるストリングス、それに完璧に溶け込んだコーラスの美しさは見事にこの歌の世界を表現しています。そして途中からフィルインしてくる前述の力強いドラムと重心の低いベースがこの曲を盛り上げていきます。目立ちませんが柔らかな音色のエレキギターも聞こえてきますね。
もちろん悲しげなドン・ヘンリーのボーカルが素晴らしいのは言うまでもありません。数あるカバー曲よりも、このオリジナルこそが最も魅力的であると思うのは私だけではないでしょう。

ラスト11曲目は「ドゥーリン・ドルトン/ならず者」のリプライズです。単なる再出ではなく、このアルバムのテーマとなる2曲をうまく組み合わせてアレンジした、まったく別の曲と言えるでしょう。ゆったりとした曲調ですが、部分的にテンポの速いバンジョーのスリーフィンガー・プレイがオーバーラップしてきて、それまでのストーリーを思い起こさせるという凝った作りになっていますし、たっぷりとリバーブのかかったドラムがいかにもエピローグという雰囲気を作り上げています。
ところで、この曲の最後は「Desperado~」というリフレインのフェードアウトで幕を閉じますが、その中に聞こえる何かが振動するようなブルブルという低音の正体はいったい何なのでしょうか。ご存知の方がいらっしゃいましたら是非お教えくださいませ。

このアルバム『ならず者』は、いつも聴き終わる度に「ああ、カッコいいなあ~」と思ってしまいます。1本の映画を観たような気分にさせてくれる、本当に名盤ですね。私は英語の歌詞はまったく理解できないのですけど(汗)。また、トータル36分という長さも適度でいい感じです。実際、オーディオCDにはこの2倍以上の容量がある訳ですが、収録時間が短いから損をした、という気にはならないと思いますよ(笑)。


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