宮部みゆき「長い長い殺人」

2010.11.10(Wed)


長い長い殺人 (光文社文庫)長い長い殺人 (光文社文庫)
(1999/06)
宮部 みゆき

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今回は、宮部みゆきの長編ミステリ小説「長い長い殺人」をご紹介します。一見、音とは無関係なストーリーのように思えるかもしれませんが、いえいえ、これも間違いなく「音に関する本」なのです。

この作品は、連作短編と見せかけて実はれっきとした長編小説、という恐るべき(?)構成の意欲作です。謎に満ちた連続殺人事件について語るのは、なんと10個の個性豊かな財布たち。それぞれの持ち主の懐に収まり、常に行動を共にしているからこそ、財布は隠された事実を知っているのです。そして徐々に明らかになっていく、複雑に絡み合った事件の真相とは…?

この小説は最初から最後まで財布の語りによって進行していきます。財布は常に持ち主と行動を共にしているとはいえ、普段はポケットやバッグの中に収まっているのですから、外界の出来事を目で見ることはできません(財布に目があるかどうかは置いといて)。そう、語り部である財布が得る情報は、そのほとんどが「音」なのです。視覚情報を制限され、周りのささいな音から状況を判断していくサスペンス効果。そして時には持ち主すらも知り得ない真相を知ることもあるのに、自ら行動をおこすことはできず、ただ淡々と語るだけの財布たち。


財布が語るという一見突飛とも思えるアイデアは、実はさまざまな仕掛けを隠していて私達読者を楽しませてくれます。もちろん宮部みゆきの文章は読みやすさも折り紙付き。
お薦めの一冊です。


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