Andrew Gold「LONELY BOY」

2011.08.29(Mon)


Thank You for Being a Friend: Best of by Andrew GoldThank You for Being a Friend: Best of by Andrew Gold
(1997/06/24)
Andrew Gold

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もうひとつアンドリュー・ゴールドをいってみましょう。前回、アルバム『幸福を売る男』がそれ以前のアルバムとはサウンド的に大幅に違っているというレビューをしました。これはCD化された時期に8年ほども差があるので、その際のマスタリングの違いが要因のひとつになっていると考えられます。
そこで今回は、同一楽曲「ロンリー・ボーイ」を聴き比べてみようと思います。1991年にCD化されたアルバム『自画像』と、1997年にリリースされたベスト盤『THANK YOU FOR BEING A FRIEND』に収録されたこの曲にサウンド的な違いがあるとすれば、それはマスタリングの違いであると言えるでしょう。
・・・もうこれでアンドリュー・ゴールドは打ち止めかな(笑)

さて、聴き比べのお約束です。アルバム『自画像』に収録されている「ロンリー・ボーイ」を「オリジナル版」、ベスト盤「THANK YOU FOR BEING A FRIEND」に収録されている方を「ベスト版」と呼ぶことにします。

両者を聴き比べてみると、やはり後発の「ベスト版」の方が音量が大きいですね。聴感上で3dBほどの差がありました。波形表示を比べてみるとこんな感じです。

Lonly Boy Wave

1977年に録音されたこの曲はもちろんアナログマスターですから、やはり両者にはアナログテープレコーダーの回転誤差とみられるスピードの違いが確認できました。「ベスト版」の方がほんの少しだけ速いようです。

さて、肝心のサウンドですが、聴き比べをする際には音量の大きな方が良い音であると錯覚しやすいので、聴感上の音量を同じくらいに調節することが大切です。
そうやって聴き比べてみると、イントロのピアノを聴いた瞬間に違いがわかります。「ベスト版」の方が高域のヌケが良く、明るくゴージャスなサウンドで、リバーブ感や空間の広がりもよりはっきりと感じられます。
カウベルもより近くで鳴っている感じで、ボーカルもこちらの方が口を大きく開けて歌っているように聞こえます。

しかし、パルス的なドラムのサウンド、特にスネアやバスドラムのアタック感や押し出し感は圧倒的に「オリジナル版」の方が勝っています。ベースもこちらの方が迫力があるように感じられました。
いわゆるダイナミックレンジを聴き比べると、「オリジナル版」はメリハリが効いているのに対して「ベスト版」はやや平坦な印象です。

高音域が強調された「ベスト版」は、それぞれの音の表情がより感じられるので、第一印象としてとても良い音に感じられると思います。一方、「オリジナル版」は中低音域の音楽的なパワー感に優れていて、おそらく大音量で聴いたときには、こちらのほうが気持ちがいいのではないかと思います。
どちらの方が良い音か、はもちろん断定できません。完全に好みの問題と言えるでしょう。


「オリジナル版」と「ベスト版」では、アルバムとして他の収録曲とのバランスも考慮してマスタリングがされているので、サウンドに違いがあっても当然と言えるでしょう。そういった意味で、今回の聴き比べも単純に年代によるサウンドの差とは言い切れません。
しかし、あまり知られていない、というか、興味を持つ人が少ないのかもしれませんが、CDは同じタイトルだとしても、何度も再発売されているケースが多いのです。リマスタリング盤とうたわれていなくても、再発売の度にマスタリングは行われている訳で、エンジニアの解釈や時代性も考慮してサウンドに変更が加えられている事も少なくないようです。もちろん何の変更もされていないケースもあるでしょうが、そういった事を気にして聴いてみると、もしかしたらいつも聞いている音楽の中に、新たな音を発見することができるかもしれません。


  


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