連城三紀彦「運命の八分休符」

2011.12.09(Fri)


運命の8分休符 (文春文庫)運命の8分休符 (文春文庫)
(1986/05)
連城 三紀彦

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またもや少々レアな本をご紹介します。連城三紀彦のミステリ連作短編集『運命の八分休符』に収録された、表題作の「運命の八分休符」です。1983年に発表されたこの小説は大変読みやすいユーモアミステリですが、しっとりと落ち着いた味わい深さも兼ね備えています。

大学を出て3年、定職にも就かずぶらぶらしている田沢軍平は、薄くなりかけた髪、分厚い眼鏡、短足…と、見るからにみすぼらしく野暮ったい出で立ち。ひょんな事から人気ファッションモデル波木装子のガードマンをすることになったのだが、ある日、彼女に殺人事件の容疑がかけられる。そしてもうひとりの重要容疑者は新進ファッションデザイナーの井縫レイジ。しかし彼にはどうしても崩せないたった2分間の鉄壁のアリバイがあった…。

この物語では、ベートーヴェン交響曲第五番「運命」の、あまりにも有名な冒頭の旋律が色々な形で繰り返されます。そしてそれはアリバイトリックにも大きく関わってくるのですが、これ以上はお話しできません、いつもの事ながら(笑)。
巧妙に張り巡らされた伏線(冒頭にもちょっとしたミスリードが…)と、探偵役である田沢軍平クンの見事な推理、切れ味の鋭い解決も本格ミステリとして読み応え充分です。

しかしこの冴えないモッサリ男(?)の軍平クン、なぜか女性にモテモテなのです。この短編集には5つの物語が収録されていて、毎回違ったヒロインが登場し軍平クンと微妙な関係になっていくのですが、これがなかなかうまくいきません。こういった登場人物や設定がユーモアミステリと評される所以なのでしょうが、彼のはかなく切ない恋模様も大きな読みどころのひとつでしょう。

かの北村薫氏も文庫ミステリベスト100の中にこの『運命の八分休符』を選んでいますが、残念なことにどうやらこの本も絶版になっているようです。


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COMMENT

あっぷるパイ

こんばんわ^^

ミステリは大好きなんですが
この作家さんは読んだことがありません。
短編は苦手なんですが(何故だろう?)
今度、この方の本を探してみます^^
北村薫さんは大好きですよ (^O^)/

2011.12.09(Fri) 22:47 | URL | EDIT

さはんじ

Re: こんばんわ^^

>あっぷるパイさん
コメントありがとうございます!

連城三紀彦はどちらかというと恋愛小説などで有名な作家で、ミステリはそれほど多くないかもしれません。

短編、苦手ですか。
北村薫にも円紫さんと私シリーズとか覆面作家シリーズとか、素晴らしい短編がたくさんありますよね。
『空飛ぶ馬』の「砂糖合戦」は衝撃的でした。

2011.12.09(Fri) 23:30 | URL | EDIT

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